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高原からの花便り
No.49 思わぬ場所でのうれしい再会 フキ

思わぬ場所でのうれしい再会 フキ 
 晴れた朝の霜が次第に薄くなり、季節の終わりを教えています。立春を過ぎると、降る雪もやんわりと大きく、重くなり、積もってもすぐに溶けてしまいます。冬の長い八幡高原で気付いたのは、霜雪の変化が告げる冬の終わりは、春の予感とは別のものだということです。はじまりの季節、たとえばふきのとうが芽生える季節には、もう少し時間があるようです。
 ふきのとうは、フキの花芽のことを呼びます。春になって雪が溶けると、多年草のフキは、まず花芽を地面の上に出します。ふきの天ぷらや、八幡の人が作るフキ味噌に使われるのは、この花芽です。花には雄株と雌株があり、地面のすぐ近くで花を咲かせます。花が終わると、雌株はグンと伸びてゆき、立夏のころには5060cmほどになります。
 この頃になると、ようやく葉も大きくなってきます。茎は地面の下を横に伸びていくので、あまり見ることがありません。煮付けや佃煮にして食べるのは葉柄の部分です。ケーキの材料にするアンゼリカの代用材料にも使われます。また、葉柄は薬効があることも知られており、咳止めなどに使われます。なにかと使うところが多いフキですが、葉や茎には毒があります。料理をするときにあく抜きをするのはこのためです。また、家畜が食べないために放牧場で群生し、牧場主を困らせています。
 5年前に北海道を訪れたとき、ラワンブキの保護区を見に行きました。北海道のフキは1メートル以上と巨大なのですが、3メートル近くもあるフキの群生は壮観でした。これらはアキタブキと呼ばれ、東北や北海道に分布しています。大きさは違っても、種としては同じフキです。
 北海道を訪れた2年後、八幡高原で大きなフキに再会して驚きました。ラワンブキとまではいきませんが、葉の直径が1メートルほどもあるフキは、北海道で見たアキタブキの印象そのままでした。身近だと思っている自然の中にも、まだまだ知らないことがたくさんあると気付かされた出会いでした。
(芸北 高原の自然館学芸員・白川勝信)



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