○下水道事業の再評価実施要領細目
平成17年2月1日
訓令第42号
下水道事業の再評価実施要領細目
(目的)
第1条 下水道事業の再評価に関する細目を定め、下水道事業の効率的、効果的実施並びにその過程の透明性及び客観性の一層の向上を図ることを目的とする。
(対象とする事業の範囲等)
第2条 対象とする事業は、公共下水道事業、特定環境保全公共下水道事業とする。ただし、管理に係る事業等は、再評価の対象から除外する趣旨にかんがみ、新たな機能の付加又は改良を伴わない単純な更新のみを行う事業については対象事業から除外する。
(再評価を実施する事業)
第3条 事業単位の取り方は、公共下水道事業及び特定環境保全公共下水道事業は、原則として処理区を単位として評価を行う。ただし、公共関連の特定環境保全公共下水道事業については、公共下水道事業と一体的に評価を行う。
2 用語の定義
(1) 事業採択 事業費が予算化された時点をいう。
事業費が予算化 当該事業の補助対象事業費が財政法(昭和22年法律第34号)第34条の2第1項の規定に基づき財務大臣の承認を受けたことをいう。
(2) 用地買収手続に着手していない事業 用地買収の契約が1件も成立していない事業をいう。
(3) 工事に着手していない事業 現地における工事用地測量及び地質調査等に着手していない事業をいう。
3 事業採択後5年間を経過した時点で着手済の事業について、再評価の実施の必要性を判断するものとする。なお、以下の項目により事業が順調に進展しているか確認し、再評価の実施の必要性を判断するものとする。
(1) 関連計画及び関連事業の状況は、上位計画等の変更の有無、関連事業の進ちょく状況
(2) 事業の進ちょく状況は、下水道法(昭和33年法律第79号)第4条第1項の規定に基づき、国土交通大臣の認可を受けた事業計画と、当該時点における事業の進ちょく状況の比較
(3) 地元情勢は、事業に係る地権者及び周辺住民の事業に対する協力等の状況
4 社会的状況の急激な変化等により、再評価の実施の必要性を判断する際の視点は、上位計画等の変更、関連事業の休止、中止等社会的状況の急激な変化等があった場合には、前項の指標に基づき、再評価の実施の必要性を判断するものとする。
5 事業採択後10年間を経過した事業について、再評価の評価手法を選択する際の視点は、第3項第1号で定めるすべての事業を対象に、同項に掲げる項目について評価手法選定表により確認を行い、評価手法を選択する。確認の結果、すべての項目について順調に進展していると認められる場合には、第5条第2項に定める「チェックリスト等による評価手法」によるものとし、それ以外の場合については、第5条第1項に定める「詳細な評価手法」によるものとする。ただし、下水道事業は、事業単位が広域的なものであること、事業内容が汚水処理、浸水対策、高度処理、処理水及び汚泥の有効利用等と多様なことなどから、当初より長期的な計画を策定し、段階的に整備を行っていくことが効率的であること、このため事業期間が必然的に10年を超えることが多いことなどを踏まえたうえで、再評価の評価手法を選択し、効率的な再評価を行う必要がある。なお、評価手法選定表については、別にこれを定めるものとする。
6 事業期間が長期に及ぶ事業の取扱いは、事業期間が20年以上のものは、10年ごとに再評価を実施する。具体的には、事業採択後10年間を経過したこと等により再評価を実施し、「事業の継続」の結論を得た事業について、その後更に10年間を経過した時点で事業が継続中の場合、再評価を実施する。
7 下水道法に基づく事業計画変更の扱いは、事業採択後、事業計画の変更が行われた事業のうち、新たに追加された処理区については、「事業費が予算化された時点」を「事業計画の変更が行われた時点」に読み替えることとする。
(再評価に係る資料及び結果等の公表)
第4条 再評価に係る資料は、次に掲げるものとする。なお、必要に応じ資料の追加等ができるものとする。
(1) 事業概要
ア 事業名
イ 処理区及び面積
ウ 処理施設の名称
エ 処理方法
オ 処理能力(晴天時日最大、雨天時日最大)
カ 計画処理人口
キ 事業採択年度
ク 事業費(補助対象事業費、単独事業費)
(2) 再評価に関する指標
(3) 事業評価監視委員会に提出する資料は、次に掲げるものとする。
ア 再評価に係る資料
イ 対応方針(事務局案)
ウ 再評価を実施する事業の一覧表
(4) 再評価の実施時期
当該年度に再評価を実施した事業について、毎年11月末日までに再評価に係る資料を作成し、対応方針を決定したうえで、補助金交付等に係る要求を行う。その際、再評価に係る資料及び対応方針を併せて国土交通省都市局下水道部公共下水道課へ提出するものとする。
(5) 評価結果、対応方針等の公表
ア 公表内容は、次に掲げる資料を公表するものとする。
(ア) 再評価を実施した事業
(イ) 対応方針
(ウ) 事業評価監視委員会における意見の具申内容等結論に至った経緯に関する資料により行うものとする。
イ 公表の方法
公表の方法は、閲覧等によりこれを行うものとする。
(評価の方法)
第5条 評価の方法は、次によるものとする。
(1) 詳細な評価手法の選定は、次の指標に基づき、実施するものとする。
ア 事業進ちょく状況に関する指標
(ア) 進ちょく率
(イ) 処理場用地の取得状況
(ウ) 施設の供用状況
(エ) 供用開始区域の接続状況
(オ) 地元情勢等
イ 事業を巡る社会経済情勢等の変化に関する指標
(ア) 社会経済情勢
(イ) 自然環境条件
(ウ) 計画変更の有無及びその程度
ウ 事業採択時の費用効果分析の要因の変化に関する指標
(ア) 費用効果分析の要因
(イ) 事業計画で当初見込まれていた費用と実際に要した費用の比較
エ コスト縮減や代替案立案等の可能性に関する検討
(ア) コスト縮減方策
(イ) 代替案の検討
なお、各指標に関する詳細な事項及び対応方針を決定する際の判断基準等(以下「評価手法」という。)については、別に定める。ただし、再評価を行う場合にこれらの評価手法を参考に、個別事業の特性に応じて評価手法を設定できるものとする。
2 チェックリスト等による評価手法の設定
第3条第5項において、チェックリスト等による評価手法を選択するものとされた事業については、次の項目についてチェックリスト等により確認を行い、事業の継続の必要性を判断するものとする。
ア 事業の進ちょく率
イ 処理場用地の取得状況
ウ 施設の供用状況
エ 地元情勢の著しい変化の有無
オ 社会経済情勢の著しい変化の有無
カ 自然環境条件の著しい変化の有無
キ 全体計画の変化の有無
附則
この訓令は、平成17年2月1日から施行する。