○北広島町内部公益通報事務取扱要領
令和6年12月20日
訓令第12号
北広島町内部公益通報事務取扱要領
(目的)
第1条 この要領は、公益通報保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)に基づき、北広島町において、北広島町及び北広島町職員についての法令違反行為等に関する職員等からの通報等を適切に取り扱うため、これらの通報等への対応手続に関する事項を定めることにより、通報者等の保護を図るとともに、北広島町の法令遵守等を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、統合各号の定めるところによる。
(1) 法令違反行為等 北広島町及び北広島町職員による法令(条例、規則等を含む。以下同じ。)違反に関する事実又は北広島町の法令遵守の確保及び適正な業務遂行に資する事実をいう(当該法令違反行為等が生じるおそれがある場合を含む。)。
(2) 職員等 次に掲げる者をいう。
ア 北広島町職員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する本町の職員及び同法第3条第3項に規定する特別職に属する本町の職員で、副町長又は同項第2号及び第3号から第5号までに掲げる者。以下「職員」という。)
イ 北広島町と契約関係にある事業者及びその役職員
ウ 通報日前1年以内に前2号に掲げる者であった者
エ 前各号に定める者のほか、北広島町の法令遵守を確保する上で必要と認められる者
(3) 内部通報先 第4条に定める内部窓口をいう。
(4) 受付 北広島町内部公益通報書(様式第1号)による書面又は電子メールで内部通報先に対してなされた通報、相談、意見又は苦(以下「通報等」という。)を受けることをいう。
(5) 受理 内部通報先に対してなされた通報等について、調査又は是正措置を行う必要性があるものとして受け付けることをいう。
(6) 被通報者 その者が法令違反行為等を行った、行っている又は行おうとしていると通報された者をいう。
(7) 通報者等 通報等した職員等をいう。
(8) 公益通報対応業務 法第11条第1項に規定する公益通報対応業務をいう。
(9) 従事者 公益通報対応業務に従事する者をいう。
(総括通報等責任者)
第3条 職員等から内部通報先に対してなされる公益通報対応業務を総括するため、総括通報等責任者を置くこととし、総務課長をもって充てる。
2 総括通報等責任者は、公益通報対応業務に関する規程類の整備、研修の実施、通報に関する調査の進捗等の管理、通報等を理由とする不利益な取扱いの防止その他通報等への適切な対応の確保に関する業務を総括するものとする。
3 総括通報等責任者は、前項に規定する業務を、総務課行政管理係の職員に行わせることができるものとする。
(内部窓口)
第4条 北広島町の内部において北広島町及び北広島町職員による法令違反行為等に関してなされる職員等からの通報等を取り扱うため、総務課に内部窓口を置き、総括通報等責任者がこれを総括する。
2 内部窓口は、次に掲げる業務を取り扱うものとする。
(1) 北広島町及び北広島町職員による法令違反行為等に関してなされる職員等からの通報等の受付に関すること。
(2) 内部通報先の公益通報対応業務についての意見又は苦情の受付に関すること。
(3) 通報者等との連絡調整に関すること。
(4) 北広島町の各課及び出先機関等との連絡調整に関すること。
(通報体制の整備)
第5条 総括通報等責任者は、総務課行政管理係の職員を従事者として定める。
(秘密保持及び個人情報保護の徹底)
第6条 総括通報等責任者及び従事者並びに公益通報対応業務に付随する職務等を通じて、公益通報対応業務に関する秘密を知り得た者(以下「公益通報対応業務に関与した者」という。)は、公益通報対応業務に関する秘密を漏らしてはならない。
2 公益通報対応業務に関与した者は、当該対応手続において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
3 公益通報対応業務に関与した者は、公益通報対応業務に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため、公益通報対応業務の各段階(通報等の受付、調査、是正措置及び通報者等への結果通知。以下同じ。)及び公益通報対応業務の終了後において、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。
(2) 通報者等の特定につながり得る情報(通報者等の氏名、所属等の個人情報のほか、調査等が通報を端緒としたものであること、通報者等しか知り得ない情報等を含む。以下同じ。)については、被通報者及びその関係者に対して開示しないこと(通報等の対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)。
(3) 通報者等の特定につながり得る情報を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面又は電子メールによる明示の同意を取得すること。
(4) 前号に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に説明すること。
(5) 通報者等本人からの情報流出によって通報者等が特定されることを防ぐため、通報者等に対して、情報管理の重要性について十分に理解させること。
4 内部通報先における公益通報対応業務に関する秘密保持及び個人情報の保護については、前3項に定めるもののほか、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)その他関係法令に従うものとする。
(利益相反関係の排除)
第7条 従事者は、自ら当事者となっている案件に関する通報その他の利益相反関係を有する案件についての公益通報対応業務に関与してはならない。
2 従事者は、公益通報対応業務の各段階において、相互に当該通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。この場合において、次の各号のいずれかに該当することが判明したときは、当該事実が判明した時点から公益通報対応業務へ関与してはならない。
(1) 通報対象事実の発覚及び調査の結果により、利益を害するおそれのある者
(2) 通報者等
(3) 公益通報等が本人に係るものである者
(4) 前号に掲げる者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹その他同居の親族である者
(5) 通報等に係る調査、是正措置等の検討又は実施等を阻害するおそれがある者
(6) その他、公益通報に関係する者として総括通報等責任者が認める者
3 従事者は、当該通報について前項各号のいずれかに該当することが判明したとき又は自らが利益相反関係を有すると思料するときは、直ちに総括通報等責任者にその旨を伝えなければならない。
(受付の範囲及び取扱い)
第8条 内部通報先は、職員等からの次の各号に掲げる事実についての通報等を受け付けるものとする。ただし、北広島町の法令遵守の確保及び適正な業務遂行のために必要と認められるものに限るものとする。
(1) 法令に違反する行為に関する事実
(2) その他、北広島町の法令遵守等の確保及び適正な業務遂行に資する事実
2 内部通報先は、通報等があったときは、法の趣旨を踏まえ、誠実かつ公正に通報等に対応し、正当な理由なく通報等の受付又は通報の受理を拒んではならない。
3 内部通報先は、匿名による通報等についても、可能な限り、実名による通報等と同様の取扱いを行うよう努めるものとする。
4 通報窓口においては、通報等について北広島町の行政機関が処分又は勧告等の権限を有しないときは、通報者等に対し、その処分又は勧告等の権限を有する行政機関を教示しなければならない。この場合において、適正な業務執行の確保及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合を除き、自ら作成した当該通報等の係る資料を通報者等に提供するものとする。
(受付手続)
第9条 内部窓口で通報等を受け付けたときは、北広島町内部公益通報書(様式第1号)に従い、公益通報対応業務に関する秘密保持及び個人情報の保護に留意しつつ、公益通報対応業務に必要な事項を通報者等に確認するものとする。ただし、通報者等の特定につながり得る情報を確認することについて、通報者等の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。
(1) 通報等に関する秘密は保持されること。
(2) 個人情報は保護されること。
(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。
3 前2項において、書面又は電子メール等、通報者等が通報等の到着を確認できない方法によって通報等がなされた場合には、速やかに通報者等に対して通報等を受け付けた旨を通知し説明するよう努めるものとする。
4 通報等を受け付ける際には、勤務時間外に個室や庁舎外で面談する等の措置を適切に講じ、通報等の秘密を守らなければならない。
(受理手続)
第10条 従事者は、通報者等から通報を受け付けた後は、法の趣旨を踏まえて当該通報に関して調査又は是正措置を行う必要性について十分に検討しなければならない。
2 従事者は、通報を受理すると判断したときはその旨を、受理しないと判断したとき(情報提供として受け付けることを含む。)はその旨及びその理由を、通報者等に通知するものとする。
3 従事者は、当該通報を受理するときは、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定し、又は必要と見込まれる期間を、通報者等に対し、遅滞なく通知するよう努めるものとする。
(調査の実施)
第11条 通報を受理したときは、従事者は、当該通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者等が被通報者及びその関係者に特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行うものとする。
2 総括通報等責任者は、調査の方法、内容等の適正を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、調査について適宜確認を行う等の方法により、通報事案を適切に管理しなければならない。
3 従事者は、適正な業務執行の確保及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合を除き、通報者等に対し、調査の進捗状況を適宜通知するとともに、調査結果を速やかに取りまとめ、その結果を遅滞なく通知するものとする。
4 従事者は、調査の実施に伴い町長その他幹部職員が通報事実に関与していることが明らかになったときは、調査に関する独立性を確保するため、必要に応じ、弁護士等のモニタリングを受けながら調査を行うものとする。
(調査の方法)
第12条 通報事実の調査に当たっては、従事者は通報者等から面談、電話、書面又は電子メールを通じて聴取を行い、通報事実の内容に誤りがないか確認するよう努めるものとする。
2 通報に関して調査又は是正措置を行う必要性がないとして調査を終了する場合には、通報を受け付けたこと又は調査を実施したことについて被通報者の任命権者等に知らせないものとする。ただし、調査を実施した過程で、既に聴取を行っている場合を除く。
3 調査の端緒が通報であることを他の職員に認識させないよう、通報事案の性質に応じて適切な措置をとるものとする。
(協力義務等)
第13条 従事者は、通報事実の調査に当たり、関係所属長の協力が必要となる場合には、関係所属長と連携して調査を行い、是正措置をとるなど、相互に緊密に連絡し協力しなければならない。
2 従事者から調査の協力を求められた職員は、調査に誠実に協力をしなければならず、調査を妨害する行為をしてはならない。
3 職員等は、他の行政機関その他公の機関から調査等の協力を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、必要な協力を行うものとする。
2 前項の是正措置及び再発防止策の要求を受けた者は、速やかに是正措置及び再発防止策をとるものとする。
3 前項の措置をとった場合には、措置を行った者はその内容を速やかに従事者に報告しなければならない。
4 従事者は、第2項の措置がとられた場合には、その内容を、北広島町における適正な業務遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者等に対し、遅滞なく通知するものとする。
5 従事者は、是正措置又は再発防止策をとった後、法令違反行為等が再発していないか、是正措置又は再発防止策が十分に機能しているか確認するとともに、必要に応じ、新たな是正措置又は再発防止策をとるものとする。
(通報者等の保護)
第15条 通報者等である職員の任命権者等は、内部通報先に対し不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、通報等を行った職員に対し、通報等を行ったことを理由として、懲戒処分その他不利益な取扱いをしてはならない。
2 従事者は、被通報者が、通報者等の存在を知り得る場合には、被通報者が通報者等に対して前項に規定する不利益な取扱いを行うことがないよう、被通報者に対して、注意喚起をする等の措置をとるものとする。
3 従事者は、公益通報対応業務の終了後、通報者等に対し、通報等をしたことを理由とした不利益な取扱いが行われていないかを適宜確認するものとする。
4 従事者は、通報者等が、第1項に規定する不利益な取扱いを受けていることが明らかになった場合には、これを是正し得る者に通知し是正を求め、かつ、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第49条の2に規定する人事委員会若しくは公平委員会に対する不利益処分についての審査請求、同法第46条に規定する勤務条件に関する措置の要求又は苦情相談制度等を利用することができる旨を伝えるなど、通報者等の保護に係る必要なフォローアップを行うよう努めるものとする。
(意見又は苦情への対応)
第16条 内部通報先は、内部通報先に対する公益通報対応業務に関して通報者等から意見又は苦情の申出を受けたときは、迅速かつ適切に対応するよう努めるものとする。
2 前項の申出の内容が、公益通報対応業務に関する秘密及び個人情報の漏えい、通報に関する調査及び是正措置の遅滞、不適切な調査の実施その他内部通報先の不適切な対応に関するものである場合には、当該申出を受けた内部通報先は、速やかに苦情に係る対応状況を確認し、必要な是正措置等をとった上で、その結果を通報者等に通知するものとする。
(通報等の関連文書の管理)
第19条 公益通報対応業務に係る記録及び関係資料については、北広島町文書事務取扱規程(平成17年訓令第5号)に基づき適切な方法で管理しなければならない。
(法及び要領の周知等)
第20条 総括通報等責任者は、北広島町における通報等への適切な対応を推進するため、職員に対する広報の実施、定期的な研修、及び説明会の実施等により、法及びこの要領に基づく通報等の方法、取扱い並びに通報者等の保護の仕組み等の周知に努めるものとする。
2 総括通報等責任者は、前項の業務を、総務課行政管理係の職員に行わせることができるものとする。
3 内部通報先は、通報等の方法、通報等の取扱い及び通報者等の保護の仕組みについて職員等から問合せがあったときは、速やかに対応するものとする。
(通報対応の評価及び改善)
第21条 総括通報等責任者は、通報対応の仕組みの運用状況に関する情報を、毎年度公表するものとする。ただし、当該情報を公表することにより、通報等に関する秘密保持及び個人情報の保護並びに適正な業務遂行の確保及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障が生じる場合においては、個々の通報事案ごとに、その全部又は一部を非公表とすることができる。
2 総括通報等責任者は、通報対応の仕組みの運用状況について、定期的に評価及び点検を行うとともに、他の行政機関による先進的な取組事例等を参考として、通報対応の仕組みを継続的に改善するよう努めるものとする。
(他の法令等との関係)
第22条 公益通報対応業務については、他の法令に特別の定めがある場合又はこれに基づく運用がある場合を除くほか、この要領の定めるところによる。
(その他)
第23条 この要領に定めるもののほか、必要な事項は町長が別に定める。
附則
(施行期日)
この訓令は、令和6年12月20日から施行する。