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きたひろエコ・ミュージアム 令和2年2月

印刷用ページを表示する更新日:2020年5月7日更新

八幡高原の新発見 ホザキヤドリギ

師走の声を聞くと、里に近いコナラの林はすっかり葉を落とし、どの木も同じような姿に見えます。野山は徐々に色彩を失っていきますが、先月お話したヤドリギを探すには格好の季節です。冬枯れの木に着いたヤドリギの実をよく見ると、黄緑色の他に橙色の実を付けたものがあります。これはアカミヤドリギという品種で、芸北にはこの2種類があると考えられていました。

ところが昨年のこのころ、木登りをしている時に、葉をすっかり落としたヤドリギを見つけました。冬芽を作っていますからヤドリギが枯れたのではないし、何よりの特徴は実が黄色くて穂のように付くことです。高原の自然館の前に生えるコナラの幹に見つかったこの植物はホザキヤドリギで、ヤドリギの中でも最も寒冷地に適応した種です。日本では中部以北に分布するとされています。調べてみると、広島県では比婆山系で記録があるものの、生きている個体は確認できていないそうです。後日、八幡の別の場所でハンノキに着いている個体を見つけたので、どうやら自生しているようです。また1種類、芸北の植物リストが増えました。

高原の自然館は冬季の閉館期に入り、スノートレッキングにも少し早いこの頃の八幡高原は、なんとなく閑散とした雰囲気に包まれます。それでも、こんな季節だからこそ見つかる発見もあるんですね。

ホザキノヤドリギ

高原からの花だより No.11
広報きたひろしま 平成18年1月号掲載

 

芸北トレッキングガイドさんの花話

ホザキヤドリギはほかの木に着生する植物です。木に着生するためには木から木に移動する必要性があります。植物がどうやって木から木に移動するかと言いますと、鳥です。レンジャクという鳥がいます。普段はロシアに住んでいるのですが、冬になると芸北にやってきます。
冬にホザキヤドリギの実を食べます、ヤドリギの実は粘着力がありますから鳥がおしりからぶら下げて飛んでいき、次の木にとまります。そこで、これが枝にくっついてそこから発芽します。
レンジャクの仲間は日本には2種類います。ここ芸北にやってくるものの多くはキレンジャクです。ユーラシア大陸から北米にかけて広く分布する鳥です。しっぽの先が黄色いのでキレンジャクといいます。
もう一つこれよりもう少し小さいのでヒレンジャクというのがいます。しっぽの先が赤いのでヒレンジャクといいます。これはロシアのアムール川の周辺だけで繁殖します。世界的にも非常に希少な鳥になります。
今年はどちらのレンジャクもたくさん来てホサキヤドリギの実を食べてしまったのでほとんど実が残っていません。ぜひ八幡高原に来ていただいてキレンジャク、ヒレンジャク、ホサキヤドリギを観察してみてください。

 

≪問い合わせ先≫
北広島町観光協会 芸北支部 芸北トレッキングガイドの会
電話 0826-35-0888


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