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きたひろエコ・ミュージアム 平成30年7月

印刷用ページを表示する更新日:2018年12月14日更新

変化の兆しを見せる花 サワギキョウ

晴れの日中でも暑さは和らぎ、処暑を迎えた八幡高原では気持ちの良い風が吹くようになりました。八幡高原では季節の先を行くように、秋の花が咲き競います。七草のひとつ、キキョウはありませんが、湿原では紫色をしたサワギキョウも花を付けています。

サワギキョウは明るい湿原に生育する多年草です。太くて丸い茎は中空で、八幡湿原では50〜60cmほどまっすぐに伸び上がります。この茎を適当な長さに切って挿しておくと、根を出して増えるそうです。茎のまわりに互生する葉は上にいくほど小さくなり、最上部の花が付くところでは苞葉(ほうよう)となります。

サワギキョウという名前を単純に解釈すると「沢に咲く桔梗(キキョウ)」となります。キキョウに似ているのは葉の形や花の色だけのようですが、キキョウ科の植物とされています。花の形は全く別物に見ても、キキョウでは釣鐘型の花が5つに裂けるのと同じように、良く見ると繋がった花弁が5つに裂けていることが分かります。さらに、雄しべが筒のようになって雌しべを包み込み、花粉がすっかり無くなった頃に雌しべが成熟して働き始めるのも同じです。

花は茎の下から上へと順番に咲いてゆきます。一つ一つの花の寿命は短いので、上の方が咲く頃には始めに咲いた花は種になっていますが、株としてはおよそ1ヶ月もの長い間花を付けていることになります。長い間花を付けていられるということは、それだけ長い間、花粉を運んでくれる虫を呼ぶことができ、子孫を残す機会があるということです。虫が少ない春に咲く花が一斉に花を付けるのとは対照的です。

湿原を巡っていると、背丈以上もあるサワギキョウを見かけます。そんな湿原はサワギキョウにとって環境が良いようにも見えますが、他にも様々な植物が大きく育っていて、ヨシが生えていたり、湿原が乾燥しつつあります。栄養状態が多いということは、湿原にとっては寿命を縮めることなのです。今は大きく優勢に見えるサワギキョウを見つけると、湿原の行く末が心配になってしまいます。

高原からの花だより No.43
広報きたひろしま 平成20年9月号掲載

サワギキョウの画像

芸北トレッキングガイドさんの花話

サワギキョウの花の時期は芸北では7月下旬から9月頃です。

茎の長さは50~100cmの高さです。花の上の方は鳥の羽のようになっていて下の方はドレスのように3枚の花びらが広がっているように見えますが、これは1枚の花びらです。

87歳のおばあちゃんの話によると、昔は挿し木にして畑に植え、観賞用にしていたそうです。

これから芸北地域では他にもいろいろな植物が花を咲かせるので、ぜひおいでください。

≪問い合わせ先≫
北広島町観光協会 芸北支部 芸北トレッキングガイドの会
電話 0826-35-0888


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