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飾り牛・代掻き

印刷用ページを表示する更新日:2018年4月1日更新

飾り牛

牛の道行〈原東大花田植・志路原〉 花田植で代掻きをする牛たちは「飾り牛」「花牛」と呼ばれます。昔は普段の農作業に使っている役牛の中で、姿の良いもの・よく言う事をきくものを選んで使っていました。
 牛たちは、角や体をきれいに磨かれた後、美しく飾りつけられます。これは特別な行事に参加することを示す装いとも考えられます。
 飾り牛の鞍は仕事用の鞍とは違い、「花鞍(飾り鞍)」と呼ばれ、総重量は幟や造花を合わせ、二十~三十kgにもおよぶといいます。
 鞍の他にも首玉・鞍下・輪袈裟や色とりどりの布などが施され、鞍や飾りの形には、その時代の流行や工夫が見られます。
 現在、飾り牛の多くは畜産農家の有志による「飾り牛保存会」のもので、周辺各地に出演しています。この牛たちは日常の農業には使われていませんが、田に入ることや人・楽の音に慣れる訓練をされています。

牛の飾りと道具

 

代掻き

代掻き〈大花田植・大朝) 飾り牛を自在に操る代掻きは、花田植の大きな見せ場の一つです。「代掻き」「牛追い」と呼ばれる役の人が、一人で一頭の牛を操ります。
 花田植の時には道具を使わず牛の足のみでするという地域もありますが、多くは馬鍬という道具をつけて行います。
 先頭に立つ牛は「先牛(おもうじ・さきうじ)」と呼ばれ、この役割は代掻きの出来を左右する重要な立場です。そのため、昔は代掻きの上手な人が特別に頼まれて行いました。
 花田植の時には、普段の代掻きとは違う、特別な名前のついた代を掻きました。これは、日常の田植とは違うことの表れでもあり、この代掻きによって普通の田が「祭りの場」になると考えられます。この図案は数多くあり、「代本」などと呼ばれる図案集にその姿が残されています。
 また、現在は見られませんが、歌の上手な代掻きが代掻き歌を歌いながら代を掻いたとも言います。

代図の例