▼ 特別名勝
▼ 国指定
さんだんきょう
広島県の北西、太田川の上流にある長さ約10kmの長大な峡谷で、その源頭は八幡(やわた)高原に接している。水流は石英斑岩(はんがん)や花こう斑岩の基盤を深く浸食し、数か所で高さ400mにおよぶ大岩壁をおこし、幾多の滝・急流・深淵を形成している。わけても、龍(たつ)の口・黒淵(くろぶち)・猿飛(さるとび)・二段滝・三段滝・龍門(りゅうもん)・三ッ滝などは最もよく知られた所である。この峡谷の植物相は日本西南部の暖帯要素と東北部の亜寒帯要素とが混生しており、ことに春の若葉、秋の紅葉の美しさは他に比類がない。また、峡谷にはゴギ・ヒラメ(イワナ・ヤマメの類)が生息し,モリアオガエルも見られる。
名勝指定:大正14年(1925)10月8日
特別名勝指定:昭和28年(1953)11月14日
常時公開
きゅうまんとくいんていえん
吉川元長(1548~1587)が安土桃山時代(16世紀後半)に建立した万徳院本堂の西と北に所在する庭園。西庭園では旧谷川の地形を生かした大振りな池と中島を造成し、中島を船に見立てている。北庭園は本堂8畳間に付属した小規模な坪庭で、小滝と小池がある。
戦国大名による寺院付属庭園として貴重である。
平成14年(2002)9月20日
常時公開
きっかわもとはるやかたあとていえん
安土桃山時代(16世紀後半)、吉川元春(1530~1586)の隠居館の庭園。垂直の石組護岸と扁平な石敷池底による極めて人工的な池庭。建物北縁が池護岸、池の北に築山、その東に滝組。築山頂部に立石を据え、三尊石風石組を配する。遺構の残りは極めて良好。
中世末期の庭園として朝倉館跡庭園と並び秀逸である。
平成14年(2002)9月20日
常時公開