平成23年4月10日 日曜日
田の肥料として使うための焼土を作ります。この焼土を「クグシ」といい、
クグシを作る作業を「クグシ」「クグシカケ」などと呼びます。
山へ薪にするための枝をとりにいきます。
この枝のことを「ヤバ」といい、それをとりに行くことを「ヤバをコル」「ヤバコリ」に行くといいます。
今回は、あらかじめ刈って乾かしておいた枝と、刈ったばかりの生の枝をそれぞれ10束ほど用意しました。
生の枝を刈っています。
枝を束ねる縄を、その場で作ります。
乾いた枝を木負子で運んでいます。
ヤバを円く積み上げ、田の土をかぶせて火をつけ、数日かけて焼土を作ります。
焼いている途中で雨が降りそうになったら、ワラボウトという雨除けを被せます。
一番下に乾いた枝を積みます。
続いて生木を重ね、土をかぶせます。
炎が上がらない程度に、じっくり焼きます。
火をつけた三日後の様子です。
ワラボウト:藁の束を編んでいきます。
クグシにワラボウトをかぶせたところです。
稲の苗を育てるための苗代を作りました。
耕した土地を平らにし、溝を掘ります。
溝に水を入れ、高さを確認。
苗代の全体像です。
平成23年4月24日 日曜日
牛に犂(すき)をつけ、田を耕しました。
当時は一人で牛を追いながら犂を操りましたが、今回は牛を引く人・牛を追う人・犂を持つ人の三人がかりでの作業になりました。
牛の銀子(2歳)。今年から花田植にもデビューする予定です。
ネジで犂の角度を調整することで、耕す深さを調整します。
経験者のアドバイスを受けて、最後には上手にできるようになりました。
前回作った焼土(クグシ)を半分ほどふるいにかけます。
次回苗代に種を蒔いた後に表面を覆うために使います。
組んだ木にトオシをぶら下げ、腰くらいの高さでふるいます。
残りの半分は肥料として使うため、再びワラボウトをかけて残します。
平成23年4月30日 土曜日
苗代に種籾をまき、田植に使う苗を育てはじめます。
十分な苗が育つよう、普通よりやや多めにまきました。
板などを使い、表面を平らに整えます。
種籾をまんべんなくまきます。
前回ふるったクグシで、表面を覆います。
保温のため、焼いたスクモ(籾殻)をまきます。
全体を油紙で覆います。
泥と縄で押さえ、雀よけの糸を張りました。
平成23年5月28日 土曜日
一週間後の代掻きを前に、荒掻きをしました。
今回はトラクターですが、昔は牛に馬鍬を引かせてやる作業でした。
同時に畦つけの準備をしました。
畦の表面を削って形を整えます。
削った土は田の中でこねて、畦に盛つけ、かためるのにつかいます。
平成23年6月01日 水曜日
田の畦の表面を削って、土を盛りなおす作業です。
これをやっておくことで、モグラがあけた穴をふさぎ、田の水がもれるのを防ぎます。
畦の表面の土を削り、田の中の泥と混ぜておきます。
泥を畦の上に盛り上げます。
鍬先で表面を整えます。
平成23年6月04日 土曜日
田植えの前にやる最後の作業が代かきです。牛に馬鍬を引かせて、田の土を丁寧にかきます。
左は荒起しをした銀子。右は既に4年花田植えに参加しているシミズカツ。
作業鞍を背負い馬鍬を引く牛。
二頭の牛が一列になって、泥をかきまわします。
田の角は馬鍬が入らないので、人が鍬で練ります。
牛や人の足跡、馬鍬の跡をエブリでならします。
平成23年6月12日 日曜日
田植えは、稲作における春の仕事の締めくくりです。
当日は雨だったので、8人の早乙女さんは合羽を着て田植えをしました。また苗運び役とワクマクリ役の男性は昔ながらの蓑笠を身につけて作業しました。
苗を藁で束ねて田に運び、ちょうどよい位置に配っておきます。
田植え枠を使い、苗を植える位置に印をつけます。
田植え綱を使う方法と違い、自分のペースで植えられます。
枠で印をつけたところから、田植えに取り掛かります。
配ってある苗を、枠の跡が十字になっているところに植えていきます。
田植えが終わると、みんな水路で足を洗いました。
畦には、大豆と小豆を植えます。植え穴は木槌であけます。
田に近いほうの列に大豆、遠い列に小豆の種をまきます。
植え穴に焼土をかぶせ、鳥よけのテープを貼りました。
平成23年7月09日 土曜日
畦の側面の土を削り取ることで、ケラという害虫を取り除く作業です。また削り取った土は、
畦に植えてある豆の苗の根元を固めるのに利用します。
このように手で土をとり、豆の根元に盛ります。
手押し式の除草機を使い、稲の間に生えてきた雑草を泥の中に沈めます。
除草剤を使わない時代、田の除草は夏の間に何回も行わなければならない作業でした。
今回使った手押しの除草機です。
稲の列の間に除草機を押し進めると、雑草が泥の間に沈められます。
除草機を押した後の株間の様子。